2023年7月16日
Allen

僕の家はマンションの一階にあった。門を通って左に曲がると一直線の廊下があり、その突き当たりに玄関の扉がある。玄関を正面に見たときに、左側には町の道路に面した低い柵、右側には廊下の壁がある。柵は腰よりも低く、軽々と越えられてしまうような高さだ。柵のすぐ外には低い植木がある。
夜、家に帰ろうと歩いていると、二人組の男とすれ違った。マンションの門を通り、左に曲がって先述した廊下を真っ直ぐ歩く。玄関のドアノブに手をかけると、すぐ左の植木(玄関横の植木だけ背が高く木のようだった)から一人の男がガサっと顔を突き出してきた。先ほどすれ違った男のうちの一人だ。男は大きな目を左右を確認するようにぎょろぎょろと数回往復させた。
「なんですか」と僕が言う。
「いえ、気にしないでください。どうぞ(中に入ってください)」
男は僕が家の中に入るのをじっと待っている。家が特定された、と僕は思った。家に入ろうが入るまいが、ドアノブに手をかけている時点でバレたも同然だ。男は植木に引っ込み、道路の方に戻って歩いていってしまった。
僕はこのまま素直に家に入って自分の家だと宣言するよりも、引き返せばまだ自分の家ではないと言い切れる可能性が僅かにあると無意識に思いでもしたのか、今来た廊下を戻って門を出た。道路の向こう側にBrookと先生と思われる人間がいた。僕は二人に今あったことを伝えた。紙に先述通りの地図を鉛筆で書き、説明した。二人は怖いとか、よく逃げてきたとか、そんなようなことを言ってくれたと思う。
目が覚め、その日に僕はちょうどBrookと一緒にStarlingに会う予定だったので、Brookと駅で合流した際にこの夢の話をした。
あの大きな目の男は誰だったのかよくわかっていない。あそこまで人の目がはっきりと描かれているのも珍しい。顔は少し朧げになってしまったけど、目は未だに覚えている。